2023/08/29 【読書】『ハンナ・アーレント、3つの逃亡』

漫画形式で読める

 

書店で展開されてあったので、手に取りました

 

私は、学生時代にハンナ・アーレントの『人間の条件』を読んで、

アーレントの考える、「出生」(人間の誕生)の思想に

希望をもった人間なので、興味をもって読みました

 

イラストで読めるのですが、

脚注が多くて、哲学や現代思想に興味のない人には

あまり面白くないかも

 

アーレントをとりまく人間関係や環境がよくわかって、

私としては面白く読みました

 

私がバイブルにしていた『人間の条件』は、

アーレントが書いた英語を日本語訳したものですが、

ドイツ語版からの新訳がでているので、

そちらで再読してみたいです

 

 

女性の哲学者というと、ボーボワール、ヴェーユ、

そしてアーレントぐらいしか思いつきませんが、

それを考えるだけでも、昔の女性って苦労が多かったんですね

アーレントは哲学者というよりは、政治哲学者)

 

最後のほうに、

アーレントの名著『エルサレムアイヒマン』に関する

炎上事件についても紹介されていました。

このアイヒマンの本は、村上春樹さんの『海辺のカフカ』でも

でてくるんですよ

 

 

「すべては想像力の問題なのだ。僕らの責任は想像力の中から始まる。

イェーツが書いている。

In dreams begin the responsibilities -- まさらにその通り。

逆に言えば、想像力のないところに責任は生じないのかもしれない。

このアイヒマンの例にみられるように」

 

この漫画を読みながら、

アーレントの時代を感じた

今日この頃でした

misogi21.hatenablog.com

 

この本も面白そう