2021/10/10 『くらしのための料理学』

最近、食事は「一汁一菜」がいいと思っておりまして

Kindleで期間限定セールになっていたので、

土井善晴さんの本を手にしてみました

こちらは、レシピ本ではなくて、

「料理哲学の話」というのが適切じゃないかと思います

昨日の投稿で「調和をとる」ことについて書きましたが、

料理においても、和食は「和える」のが特徴、

つまり和食は和える=「ハーモニー」である、

という著者の考え方に、なるほど、と思いました

和食における原初的な調理法は、自然を中心とするため、

食材にあまり手を加えません。しかも食材の状態は、

季節、鮮度などによって変化します。

季節、鮮度などは前提条件を揃えることができませんから、

レシピは参考程度にしかなりません。

和食において、おおよそでよしとできるのは、

和食が変化そのものを楽しむものだからです。

和食は、化学のように厳密ではなく、

常にブレることを前提にしているからです。

さらに、こちらの本、私が好きなハンナ・アーレントの「人間の条件」の内容まででてきます

哲学者のハンナ・アーレント(1906~75)は『人間の条件』で近代のオートメーションの流れにふれ、

労働のことを「人間の条件の基礎的側面」と述べています。

これまで人間は、料理をなにかに託しても、なにも問題ない、栄養さえ取れればいいと考え ていたようです。だから、オートメーション化しても問題ないと思ってきました。

欧州では、古代ギリシャ時代以後、料理するという労働には、価値を与えてきませんでした。

経済優先にして家事労働の大切さを忘れた社会は、無償の愛である家庭料理を価値のないものにしたのです。

しかし、「人間の条件の基礎的側面」は失ってはならないものなのです。

我が家の食卓の場合、手を抜きすぎて

結果的に「一汁一菜」になっていることが多いのですが、

お盆の上にお箸を丁寧に置いて、

罪悪感のない、一汁一菜を続けていこうと思います

また、少し前に、アフロえみ子さんの『四季の食卓』という本を読んで、

ぬか床づくりをしたいと思っていたところだったので、

いよいよ始めてみようと思います。

最近は、毎日混ぜなくていい、ぬか床も多いようですので