最近、食事は「一汁一菜」がいいと思っておりまして
Kindleで期間限定セールになっていたので、
土井善晴さんの本を手にしてみました
こちらは、レシピ本ではなくて、
「料理哲学の話」というのが適切じゃないかと思います
料理においても、和食は「和える」のが特徴、
つまり和食は和える=「ハーモニー」である、
という著者の考え方に、なるほど、と思いました
和食における原初的な調理法は、自然を中心とするため、
食材にあまり手を加えません。しかも食材の状態は、
季節、鮮度などによって変化します。
季節、鮮度などは前提条件を揃えることができませんから、
レシピは参考程度にしかなりません。
和食において、おおよそでよしとできるのは、
和食が変化そのものを楽しむものだからです。
和食は、化学のように厳密ではなく、
常にブレることを前提にしているからです。
さらに、こちらの本、私が好きなハンナ・アーレントの「人間の条件」の内容まででてきます
哲学者のハンナ・アーレント(1906~75)は『人間の条件』で近代のオートメーションの流れにふれ、
労働のことを「人間の条件の基礎的側面」と述べています。
これまで人間は、料理をなにかに託しても、なにも問題ない、栄養さえ取れればいいと考え ていたようです。だから、オートメーション化しても問題ないと思ってきました。
欧州では、古代ギリシャ時代以後、料理するという労働には、価値を与えてきませんでした。
経済優先にして家事労働の大切さを忘れた社会は、無償の愛である家庭料理を価値のないものにしたのです。
しかし、「人間の条件の基礎的側面」は失ってはならないものなのです。
我が家の食卓の場合、手を抜きすぎて
結果的に「一汁一菜」になっていることが多いのですが、
お盆の上にお箸を丁寧に置いて、
罪悪感のない、一汁一菜を続けていこうと思います
また、少し前に、アフロえみ子さんの『四季の食卓』という本を読んで、
ぬか床づくりをしたいと思っていたところだったので、
いよいよ始めてみようと思います。
最近は、毎日混ぜなくていい、ぬか床も多いようですので