ブランドとか消費とか広告とか、『ベルナール・アルノー、語る』

先日は「途上国からブランドをつくる」というミッションをかかげたマザーハウスの山口さんの本に衝撃をうけましたが、こちらはすでにあるブランドに革新を起こしていくフランスの起業家の本です。

今日はどうしてもこの本紹介しないと眠れないです。

ブランド帝国LVMHを創った男 ベルナール・アルノー、語るブランド帝国LVMHを創った男 ベルナール・アルノー、語る
(2003/01/15)
ベルナール・アルノー

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BOOKLOVERSの本で紹介されていて、気になった本。

なぜならフランス人だから(私はフランス思想好きなので)。

私がコングロマリットという言葉の意味を知ったのはLVMHの記事だったと思います。

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LVMHのHPを見ていただければわかるのですが、

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とにかく、あれもこれもほとんどのブランドがLVMH(ルイヴィトン・モエヘネシー)グループのうちに入ってるんですね。その中心人物、ベルナール・アルノー

本日のんびり走りながら、ブランドを0から作り出していく人と、ブランドに革新を起こしていく人のストーリーを思って、「自分はどうしてこういう本を読んで、本当はどうなりたいんだろうか」と考えていました。まぁそのあたりはおいおい・・・。

こちらの本ですが、私が一番面白かったのは、

「第三章 LVMHあるいはブランドビジネスの創設」 のところ。

「製品を売ることは、夢をみさせるということです。

女性というものは、等身大の人間よりも崇高な理想像と自分を同一視するものなのです」

(革新的なデザイナーが決まって男性なのはなぜでしょうか?という質問に対して)

「女性を愛するのが男性だからでしょう。デザイナーは感受性の鋭い両性具有の芸術家です。女性だっていますよ。しかし偉大な画家もオーケストラの指揮者も男性がほとんどですね。」

こちらのPodcast(音声が始まります)を聴いていたので、彼が音楽に教養をもっていることはわかっていたのですが、ピアノの影響は大きいようです。小澤征爾さんのコンサートで演奏されたこともあるそうですよ。奥さんもピアニストの音楽家だそうですね

本を読みながら、デザイナーのジョン・ガリアーノへの信頼を強く感じます。

クリエイティブなものに対しては可能性を広げる場を与えるというスタンスが、

全体を通して感じられます。

しかし、これは全体を通さないと見えてこない気がします。

原書を読めば伝わってくるのか、

それとも、本人がクールなのかわかりませんが、

対談形式のこちらの本は、とても淡々と記載されています。

ヨーロッパのマスコミ事情や、ファッション界に通じていないと

ちょっと読み解けないところがあって(解説はついています)、

本人の思考が素通りしちゃうんですよね。

今思い出しましたが、ベルナール・アルノー氏は、

理工科大学を卒業してすぐに1000人ほどの中小企業の経営を親から任せられるんですね。

このような環境って、ピーター・ドラッカーみたいじゃありませんか??

ドラッカーも若いことから外国貿易省長官をしていた父のもと、著名な方々が家に出入りしていたという、そいういった人との中で生まれてくる経験知・暗黙知みたいなものが似ているのかなぁと思ったりいました。

香水の広告の話などは、「なるほどー」と思って読みました。

消費と広告についてはこちらの「幸福の方程式 (ディスカヴァー携書)」を読んでおくことをお薦めします。

すぐに私自身の生活や仕事にいかせそうな考え方ではないのですが、

本棚においてときどき考えなおしたい一冊です。

で、以下長い余談。

先ほどこちらのPodcastを紹介しましたが、この中で勝間和代さんと神田昌典さんが、「ネットで検索されなければ、世界にいないのも同然」というような世の中になってしまった、とおっしゃってまして、思い出したことがありました。

3,4年ぐらい前の「恋のから騒ぎ」というテレビの中で、ある女性が言っていたのですが、

「飲み会で、証券マンの名刺をもらったら、ネットで検索して会社から記事がでているかをチェックする。さらに論文書いているようじゃなきゃだめ」だと。

私の近くにいた男性は「えぇ!?」みたいな反応でしたが、婚活しているような人はどうなんでしょうか。ネットでチェックします・・??

私は学生時代に、一年以上してから喧嘩したのをきっかけに何を思ったのかネットで検索したら、でてきちゃいまして・・。なんとそこには、以前つきあっていた女性との馴れ初めがわかるようなことが書いてあったんですね「このサークルに参加していなかったら今の僕はない」みたいなことが書いてあって・・。私、出会ったばかりのころに「あなたに出会ったくらいで、僕の人生は変わりませんよ」といわれ、それが就職活動をしていた私にはズドーンとくる言葉でしたので、いろいろ頭の中で自分の存在価値みたいなものが下がっていったという経験がありますので。それ以来、怖くて検索できません!

ネットで書いてあることと本人との間に裏表が見えてしまうと怖いって思っちゃいます。まぁ、それは私自身のことでもあるかもしれませんが・・・・。