『チギレグモ、ソラノシタ』

久々に小説を読みました。

(6月は梅雨なので、短編集をいくつか読もうかと・・)


チギレグモノ、ソラノシタチギレグモノ、ソラノシタ
(2009/08/19)
石井 裕之

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カリスマセラピスト(?)石井裕之さんによる小説。

本当に大切なことは物語にしないと伝わらない、という思いがこもった小説だと思います。

読むのは、結構恥ずかしいです。

ですが・・・・

1話から7話までのストーリー。

7話の後半から目が涙でいっぱいになりました。

登場人物は、みんなどこかしら自分にあてはまります。

もしかしたら、全部当てはまるかもしれません。

彼らのところにやってくる、老人。

「ちょっと心のゲームをしませんか?」

・正反対をイコールでつないでみる

・逆説の接続詞の前後をひっくり返す

・いかにも自分がいいそうにもないことを考えてみる

・ひとつのいすに二人とも同時に座る

・時間のブロックを操作して、感情をコントロールする

・キーワードを再帰的に使って、新しい発想を刺激する

・ネガティブな感情や言葉の中にポジティブな意味を見つける

自分のためにはできないことも、人のためにはできてしまう。

人間には、そんな不思議なところがあるのかもしれない。

自分のことに気力がわかないなら、誰かのために夢中になってみればいい-。

思えば、俺、自分のことばっかりを考えて生きてきた。

自分のことが嫌いで、自分の将来にも見切りをつけていて・・・。

毎日まいにち、そんな自分にだけ向き合っていたら、

そりゃあ、気力も湧いてこないだろう。

つまらない自分でもいい。

胸をはれるものなんかなくてもいい。

でも、そんな自分でも、きっと、誰かの力にはなれるはずだ。

なんだか、ちょっとだけ自分を超えられそうな気がしてきた。

疲れたときの息抜きに。