彼女がフランス・エビアンマスターズで
念願の海外初優勝を決めたのが2009年7月26日。
この本は、その一年以上前に書かれています。
スポーツしている人はもちろん、今 何かに苦しんでる人にきっと響くものがあると思いますよ。
I am here.―「今」を意識に刻むメンタル術 (角川SSC新書) (2008/07) 宮里 藍 商品詳細を見る |
宮里藍さんの本。
2008年7月25日に発売されています。
今年優勝するちょうど一年前。
この本は、優勝してから当時を振り返って書かれたのではなく、
苦しいスランプの時期に彼女が記録に残したものです。
なのでこの本の中では彼女は毎日もがき苦しんでいる中で、
どのように自分なりの方法を見つけていったのか、までしか書いてありません。
こうすればいいのだ、というのではなく、
「なんとなく、これだとう気がする。」という感じ。
物足りなく感じる方もいるかと思いますが、
そのわずか1年で優勝を果たした彼女のいつわりのない当時の心境に、
壁にぶつかっている人、すべてに読んでほしいと思いました。
この本に答えはないけど、今の彼女自身がこの本の答えです。
以下本文より抜粋
勝ちを意識する余り、「心」の部分を追い込み、スウィング改造で頭でっかちになったことで「技」が乱れ、ひざの故障をおざなりにしたことで「体」が崩れる。(略)でもそれらの見えない要素が重なり合って、私は負のスパイラルへと巻き込まれていったのです。
やっぱりメカニックを追及していてもダメなんだ、とスイッチが切り替わったのは。
「スウィングはどうでもいい。自信のもてるフィーリングで打てばいいんだ」
しかしフィーリング重視の方針に変えたとして、いいフィーリングを果たしてどうつかめばいいのかは雲をつかむような話です。
(ブログへのコメントの書き込みに対して)
文字というのはある意味とても強烈なんです。たくさんのうれしいコメントがあっても、たったひとつ、批判的な内容を読んでしまうと、そのひとつが気になって、暗い気持ちになり、落ち込んでしまう。
口で何か言われるより、文字からうけるショックの方が、なぜがずっと大きいことに気づきました。
(54ビジョンの指導者ピアとリンから言われたことば)
「あなたはあなた自身のCEOなのよ!」
(略)
選手がコーチに依存するのではなく、自分で考え、自分で行動するプレーヤーになりさない、と彼女たちは言います。「自分で自分のコーチになりなさい」と。
直そうと思って直すのではなく、ドリルを行っているうちに、結果として正しい方向に導かれていく。同様に球を曲げる練習をしているうちに、曲げようと意識しなくても、イメージしただけで体が反応するようになっていきました。
まだ盗まれたわけではないのに、ストーリーを勝手に作って、あれもこれもしなくては、と思い込む。(略)
脳が最悪の場合に備えて、ショックを軽減するため、無意識のうちにやっている作業なのだそうです。いわゆる自己防衛本能ってヤツです。
(略)
過去でもない、未来でもない、「今」に自分を置くこと。これがナイスショットを紡ぎだすための大きな鍵です。
(キャディのミックに)
「アイ ボールはいまここにあるんだよ!」
一口に自分といっても、決してひとくくりにはできません。脳みその中の自分もいれば、感情に支配される自分も理性的な自分もいます。これらさまざまな自分がいて、そのどれかが先走ったり、過去にとわられたりするのです。
そして私はいろいろな自分のピースを、今ここにいるひとつの大きな自分に戻す作業をしています。
タイミングよく振れているときは、自分でも意外なほど飛距離が出ています。これは、どれだけ大きな筋肉をつけるか、ということよりも、その筋肉を最大限効率よく使うにはどうすればいいのか、を考える方が重要だという証拠です。
そして筋肉を効率よく使う最善の方法とはリラックスした状態を作るということ。
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最後に書かれているのが、こんな言葉。
いつもたくさんの応援をありがとうございます。
もう少しの間、結果よりプロセスを大切にしていいですか?
いずれアメリカで必ず優勝します。
そして一年後。
彼女が優勝を決めたあとのブログにはこんなことが書かれていました。
この初優勝はまだまだスタートライン。
ここからやっと始められる。でもきっとずっと忘れる事のない
初優勝です!!!!皆さんまだまだ宮里藍、ここから頑張ります!!
これからも山あり谷ありありますけど、前を向いて頑張ります!!
皆さんへの感謝の気持ちが伝わりますように。
ありがとうございました!!!!!
優勝おめでとうございます。
なんかいいな、応援したくなりますね!
この本、私BookLoversにゲストで出演したら、
木曜日あたりに紹介したい本だな~。
いつもたくさんの応援をありがとうございます。
もう少しの間(2年間くらい)、結果よりプロセスを大切にしていいですか?
いずれ表舞台で必ず活躍します。