読んだ後で、どこかで読んだことがあるような気持ちになりました。
帰りの電車の中で、鼻水止まりませんでした・・・。
セラピストとしての石井さんの本はほとんど読んでいて、
さらにここ一年は「ダイナマイトモチベーション」なるCDを毎週聞いているので、
この小説は身内が書いているような気恥ずかしさがありました。
ストーリーもさることながら、
言葉のひとつひとつにとても響くものがあって、
それでいてその言葉はいつもどこかで聞いたことがあるものでした。
読んだ後で、思い出してジーンとして、
目が熱くなったりしました。
もっと純平を苦しめている切実な問題があるんだってことはわかるよ。
誰かに相談できることなんて、実際たいしたことじゃない。
本当の悩みや苦しみなんてのは、人に相談できるようなことじゃなくって、
どこまでの自分自身で始末をつけなきゃいけないってことだよね。
だけどね、純平・・・・・。
純平がどういう決断をしたとしても、それが純平にとっての正解なんだよ。
うまくいくのもいい。うまくいかないのもまたいい。成功もいい、失敗もまたいい。
そこから、必ず何かを得ることができるんだから-。
選ぶ自由があるから葛藤したり、迷ったりするんだよね?
葛藤があるってことは、自由だってことなんだよ-。
思い出せばいいだけなんだよ。むずかしくなんかない。
むかし信じていたものを、ただ思い出そうとするだけでいいんだ。
生きていくってことはね、どこかに置き忘れてしまった宝物を探す旅のようなものなんだ。
たとえば、はじめて会ったはずなのに、ずうっと前から知っていたような気がする・・・・
そんな人と出会うことがあるよね?
読み返せば読み返すほど、
目頭が熱くなります・・・。
以前から、石井さんが、「本当に大切なことは物語でしか語りえない」という内容のことを書いていましたが、きっとこれがその思いがカタチになったものなのでしょう。
私も学生時代、「物語る」ことでしかその人の「Who」「WHAT」は表にでてこないと思って考えていましたが、小説家のすごさというのを改めて感じました。
誰かにプレゼントしたくなる本です。