バングラディッシュで携帯電話がつかえるわけ、「グラミンフォンという奇跡」

マザーハウスの山口さんの本を読んだり、

実際にバングラディッシュにいったことのある人の話を聞いて、

「なんで、電気もろくにつかないようなところで携帯が通じるんだろう」と思ってました。


グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換 [DIPシリーズ]グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換 [DIPシリーズ]
(2007/07/12)
ニコラス サリバン

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バングラディッシュの携帯の普及率は、

世界でもトップレベルだそうです。

この本は、その携帯電話を広めたイクバル・カディーヤ氏の

活動が細かく書かれています。

カディーヤ氏は、アメリカの大学に留学し、

アメリカの金融業界で働いていているのですが、

ある日の出来事をきっかけに、バングラディッシュで電話の必要性を感じます。

アメリカでネットワークがつながらなくなくていらいらしていたとき、

ふと、故郷のバングラデッシュならどうだったかと。

薬を探すため10キロ先の村まで歩いたが、

薬局についたら薬剤師は不在だった。

なんという無駄だろう、と。

そこから

「【つながること】はすなわち生産性なのだと気づいた。

それが最新のオフィスであろうと、発展途上国の村であろうと」

この本が日本で発売されたのが2007年。

技術とか、ひらめきがあったら、ツイッターみたいなしくみってもっと早くできてたろうなぁと。

私が「へぇ~」と思ったのが、最初のほうで紹介されている次の数字。

ゴールドマン・サックスによるDREAMING WITH BRICS: THE PATH TO 2050Jim_O'Neillの今後の予想では、2050年までに先進諸国と同レベルになると判断されたのは韓国とメキシコだけとはいえ、NEXT11といわれる国のなかにバングラディッシュも含まれていた。同国は、2050年まで年間5%かそれ以上の成長が続き、一人当たりの所得は2005年の422ドルから4501ドルまで増加すると予測。その結果、バングラディッシュの経済力は世界で22番目となる。

こういった分析って、ゴールドマンとかがやってるんですね・・。

グラミン銀行のアイディアにヒントを得て、

政府やユヌス氏らを動かしていくストーリーは

読み物として面白いです。

(夜、寝るのを忘れるほどでした)

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現在、バングラディッシュで大きな問題となっているのが電気の不足。

そのための活動も進んでいます。

↑これは確かインドのものなのですが、水で明かりができるというもの。

さらに、豊富にある牛の糞をつかってバイオガス(メタン)をつくり、

電力をつくるという動き。

↓こちらの写真のものは、糞で火をつけることができるというもの。

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こいったものが農村部で成功するためには、

「適正技術」が必要。

適正技術の理論とは・・

「どんな技術も、それを実際に使う人のために開発されるべきで、

使う人にとって適切な寸法でなければならない」

小さくて適切で、持続可能で生産的で、草の根の人々に向けた技術。

今後、私たちが最貧国といってるところから、

あたらな技術・手法が日本に導入される、なんてことも、

きっと近いうちあるんじゃないかって気がします。