タイトルにぐっとくるでしょ?
ひとりでは生きられないのも芸のうち (2008/01/30) 内田 樹 商品詳細を見る |
ご本人のブログから、いくつか記事を改定してものだそうです。
10日くらい前に、「はてなブックマーク」で取り上げられていたので気になって読んでみました。
読んでいると、レヴィナスの影響を多大に受けている様子がわかります。
実存から実存者へ (ちくま学芸文庫) (2005/12) エマニュエル レヴィナス 商品詳細を見る |
(私の中で2009年後半のテーマは「実存」的人生戦略です。)
どれも面白い切り口で書かれているのですが、
私が特に印象に残ったのが、
■自分のために働いてはいけない l'un pour l'autre
■健康って何?
の3つ。
この本の冒頭で、以下のような話が載っていて、読ませます。
「公的なもの」は盤石であるから、いくら批判しても構わないし、むしろ無慈悲な批判にさらされることで「公的なもの」はますます強固で効率的なものに改善されるであるという楽観(略)
当事者意識の欠如がこの「楽観」をもたらし、それがシステムの構造的な破綻を呼び寄せています。
ひとつひとつ読みながら、誰かとあれこれ話したくなりました。
■自分のために働いてはいけない l'un pour l'autre
l'autre =「なんだかよくわからないけれど、私より時間的に先行しているもの」とする
労働においても労働主体はその自己同一性をおのれの権能を自ら行使することによってではなく、そのつどすでに誰かの労働の成果を享受している受動性から引き出している。
■健康って何?
よく知られた事実に「健康法の唱道者は早死にする」というものがある。
食べ物や体操のようやフィジカルな営みに特化した健康法はしばしばメンタルストレスを増大させるからである。
理由は、周囲が必ずしも健康とわかっている生き方を採用しないから。
「周囲からの支援と尊敬」をうけることが大切。ヘーゲルが言っていたように「人間は社会的承認を受けてはじめて人間になる」から。
「誰にも頼らなくてもひとりで生きていける」能力の開発より、
「あなたがいなければ生きてゆけない」
I cannot live without you.
このyouの数をどれだけ増やすことができるか、それが共同的にきる人間の社会的成熟の指標だと思っている。
あ、この中で2,3度出てきたこの本、
私読んでないのですが、かなり興味持ちました。
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書) (2007/05/18) 福岡 伸一 商品詳細を見る |
この本読んで、内田先生は合気道の稽古が深くなったそうです。
走ることにもなにかヒントがありそうです。