ドラッカー 『歴史の哲学』

心に引っかかった言葉を書き留めておこうとしたら、

ほとんど引っかかってしまった。

ドラッカーの名言を集めたものなので、そりゃそうか・・。

歴史の哲学―そこから未来を見る (ドラッカー名言集)歴史の哲学―そこから未来を見る (ドラッカー名言集)
(2003/10/03)
P・F・ドラッカー

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以下、自分が心にひっかかったもの。

(んで、実際に著作を読もうと思ったもの)

歴史にも境界がある。目立つこともない。その時点では気付かれることもない。だが、ひとたび越えれば、社会的な風景と政治的な風景が変わり、気候が変わる。言葉が変わる。新しい現実が始まる。1965年から73年のどこかで、世界はそのような境界を越え、新しい次の世紀に入った。

境界を越えた後の世代にとって、祖父母の生きた世界や父母の生まれた世界は、想像できないものになる。我々はいま、そのような転換期を経験している。これまでの歴史どおりに動くならば、この転換は2010年ないし20年まで続く。

知識が意味するものについての二派の対立があったものの、意味しないものについては完全な一致があった。知識は行為にかかわるものではなかった。効用ではなかった。効用を与えるものは、知識ではなく、ギリシャ語に言うテクネ(技能)だった。

フレデリック・テイラーが発見した生産性向上の手法は、驚くほど簡単だった。まず初めに、仕事を個々の動作に分解する。次いで、それらの動作に要する時間を記録する。無駄な動作を除く。不可欠なものとして残った動作を、短時間で簡単に行えるようにする。そして、それらの一新された動作を組み立て直す。仕上げとして、それらの動作に必要な道具をつくり直す。

新技術は、自然科学と人文科学を包括する知識の全体系から生まれ、かつそれを発展させる。そこには、自然科学と人文科学の区別はない。デカルトが300年前にもたらした物質世界と精神世界の分裂は克服される。

現在会計事務所が行っている財務監査に似た事業監査が、一般化せざるをえなくなる。3年に一度で十分だろうが、事前に定められた基準に基づき、使命、戦略、マーケティングイノベーション、生産性、人材育成、社会的責任、利益について、監査が行われるようになる。

人は、未来を知りえない。人が知り理解することができるのは、年月をかけた今日ここにある現実の社会である。したがって、人は、理想の社会ではなく現実の社会と政治を、自らの社会的行動、政治的行動の基盤としなければならない。

再建に必要なものは、つねに三つである。機能していないもの、機能しなかったもの、有益性や貢献能力を失ったものを廃棄することである。機能するもの、成果を生み出すもの、組織の能力を高めるものに集中することである。半ば成功し、半ば失敗したものを分析することである。

経済開発こそ、我々の時代の中心的な経済的課題である。だが、今日にいたってなお、我々は誤解したままである。経済開発とは、貧しい人を豊かにすることであると思い込んでいる。我々の課題は、貧しい人たちを生産的にすることである。

今日の65歳の平均余命と健康度は、1920年代の52,3歳に相当する。定年制によって65歳に退職した者も、早期退職制によって65歳前に退職した者も、退職後まもなく、欲しかったものは長期休暇にすぎなかったことを知る。

逆貯蓄が進行する。この逆貯蓄を埋めるための資本形成の方法について、真剣に検討されたことはまだない。

大恐慌以来、失業は、現代社会に特有の最も危険な病とされてきた。高年齢化社会では、失業に変わってインフレが、現代社会に特有の最も危険な病としての地位に座る。