気になっていた本ですが、Amazonでの評価がいまいちな印象だったので敬遠していました
『読みたいことを書けばいい』
元電通マンの田中泰延さんによる、文章術っぽい本です
全体的に文字が大きいですが、グレーのページが途中途中にありまして、
そちらは比較的まともな内容が書かれています
真面目な話だけを読みたければ、グレーのページだけ
読んだほうがいいかもしれません
読んでいると、私がブログで投稿しているのが恥ずかしくなるような気にもなりますが、
結果的に、「もっと書きたくなる」本でした
(引用の太字は、書籍のまま、下線は私によるもの)
インターネット上では、恋愛に関する人間模様や、それに対するオ ピニオンを書いて多くのページビューを得る若いライターは多い。 交 際してみたらこうとか、同棲してみたらこう思ったとか、結婚してみ たらこう思ったとか、別れてみたらこう思ったとか。
それ、夏目漱石が、百何十年も前にほとんどやっている。
漱石は封建時代だった日本に突如、海外から個人主義とか自由恋愛 という概念が入ってきて、それぞれが急に「自我ってなんだ?」「恋 「愛ってなんだ?」ということを意識せざるを得なくなって、明治の何十年かで考えたことを、大量に文字にした。
ビジネス本はなにかの「役に立つ」ことを主眼に出版されている。 だが、「役に立つ」ことは恐ろしいことなのである。ためしに、台所 にとても役に立つスポンジと、ちっとも役に立たない石ころを置いて みよう。3か月後、ボロボロになるのはどちらだろうか。「役に立つ」ということは、身を滅ぼす結果を招くのである。
書けば書くほど、その人の世界は狭くなっていく。 この人はひょっ として物理学に詳しいのかと他人から勘違いされていたとしても、いろいろ書いているうちに、どうやら違うということも判明してしまう。
しかし、恐れることはない。なぜなら、書くのはまず、自分のため だからだ。あなたが触れた事象は、あなただけが知っている。あなた が抱いた心象は、あなただけが覚えている。
あなたは世界のどこかに、小さな穴を掘るように、小さな旗を立て るように、書けばいい。すると、だれかがいつか、そこを通る。
書くことは世界を狭くすることだ。しかし、その小さななにかが、 あくまで結果として、あなたの世界を広くしてくれる。
人生は寂しい。そして、人生の寂しさとはだれかが何かをしている寂しさだ。友がみな我より偉く見ゆる日の寂しさ。世界が自分を置き去りにしていると感じる寂しさ。
それならば、自分が世界を置き去りにすればいい。だれもまだ知ら ない景色を、知らない言葉を、見つければよいのだ。その一瞬だけは、世界の寂しさに勝てる。
あなたが書いたものは、あなた自身が読むとき、たった1日だけ、 あなたを孤独から救ってくれる。 自分は、なにかに触れた。心が動い た。そのことを過不足なく、なんとか、書けた。自分の寂しい世界を 一瞬、追い越した。 何度も読み返す。 しかし、何度読んでも文字列は変わらない。そしたら、また書くときだ。
わたしは、ある時期、2年間ほど、小説家の田辺聖子さんの自宅へ 通って話を伺ったことがあった。べつにわたしは小説を書きたくて文 修行させてもらおうとしたわけではない。なぜか飲み友達として選 ばれ、雑談を聞かせてもらうというだけの関わりだったが、聖子先生はいつもこう言った。
「書けば、人生なんか、ある日、パッと変わるんや」
リンクの紹介も多かったので、いくつか
「人生を変える10冊」は、いたって真面目な本です(古典多し)
Amazonでいまいちな評価がついていたのは、
内容が矛盾しているから、のようですが、
確かに矛盾していることが書かれています
が、気楽に読めばいいんじゃないかと思います
これで「いい文章」が書けるってことはないでしょうが、
「なにか書いてみたい」と思うんじゃないかなーと思いますね
元電通の青年失業家を暴走させた「人生を変える10冊」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53274
https://www.1101.com/juku/hiroba/3rd/tanaka-302/
書くについての公開雑談
https://www.1101.com/koneta_talk/index.html
仕事のやりがいって、ホントに存在するの?
|青年失業家・田中泰延のはたらく論
https://ten-navi.com/dybe/1829/
公益財団法人大宅壮一文庫
最近、出版されたこちらの本、
サブタイトルが、「自分のことはしゃべらない。
相手のことも聞き出さない。人生が変わるシンプルな会話術」
ということで、またちょっと気になりますね