2021/8/3 ひとの目、驚異の進化

印度人の目ヂカラって強いんですよね。

「ひとの目、驚異の進化」

目次

1.感情を読むテレパシーの力

2.透視する力

3.未来を予見する力

4.霊読する力

インドでは、buri nazar(邪気の目)という考え方があります。

可愛い赤ん坊に嫉妬して、その赤ん坊の見つめると、嫉妬している人のの負のエネルギーが赤ん坊のエネルギーフィールドに入り込み、赤ん坊が病気になる、という迷信があります。

そのため、赤ん坊が可愛さゆえにやっかみを買い、悪いエネルギーをもらってしまい、発熱などの体の不調をおこさないように、わざと、ブサイクにみせるため、顔にいくつかおおきなほくろを描きます。

参考リンク:

https://www.babydestination.com/science-behind-buri-nazar-or-evil-eye-babies-ways-remove

今回、こちらの本は人間の目の構造をひとつづつ分解して機能させようと思うとどうにもできない、というアンリ・ベルクソンの『創造的進化』の内容を読んで、「目の専門の方はどのように考えているのだろう」と思って手にしました。

気になった部分を抜粋。

前向きの目はどこが有利なのか

私たちの目がなぜ前向きなのかについて考えると き、前向きになることの代償、つまり後ろが見えなくなることが、しばしば頭から抜け落ちてし たとえば伝統的に考えられてきたように、三次元の立体的な視覚の広い視野が得られるというか?

で、前向きの目が選択されてきたとするなら、自分の後ろを十分に見る能力を失うのに見合う価値があるかどうかを考える必要がある。とはいえ、背後を見る能力と比べて、前方の立体視覚が相当に 有利かどうか検討するのは、両者があまりに違うので、理論上、扱いがとても難しい。 前 好都合な理由を説明したい科学者なら誰もが、両者の比較方法を考え出す必要がある。 悲しいかな。 これは容易ではないので、過去の科学者がうまくいかなかったのもうなずける。とはいえこれは、 が前を向くように進化した理由を、古くからの仮説が適切に説明できていないのかもしれない私に 言わせれば、説明できていない)ということだ。

だが、前向きの目が、障害物を透かして見るためのものなら、後ろの視野を犠牲にしても見合う価 値がある理由は、もっとわかりやすくなる。 見通しの悪い場所にいるとき、前向きの目を持つ動物は、 横向きの目を持つ動物に比べて前方を二倍観察できる。 横向きの目を持つ動物は、自分の前にあるも のも後ろにあるものも観察できるから、前向きの目を持つ動物と横向きの目を持つ動物が、視覚的に じだけの空間をできることになる。 ところが、そこには違いがある。 一般に、障害物の向こう にあるものを認識するときには、効果というものがかかわってくる。ものが一定の範囲しか見 えないときには認識できないが、それよりほんの少しでも多くの部分が見えさえすれば認識できると いうがそれだ。

文字の平均画数は、なぜ三か?

単語がものに似て見えるためには、単語を形作っている文字が、ものの構成部分に似ている必要 がある。したがって、文字は最低限でもものよりも小さくなければならない。つまり、ものに普通に 見られるよりも字画が少なくてはならない。とはいえ、文字はどれほど小さければいいのか? それ は、典型的な単語がいくつの明確な言語音(音素)から成るかで決まる。 多くの言語と同じで、英語 では、話し言葉の単語の平均音素数は四か五ぐらいだ。 これより多くの音素を持つ単語もたくさ るが、めったに使われないので、平均にあまり影響はない。 発話表記では、音素は文字と緊密に する傾向がある(たとえば「th」という音楽のように、いつも呼応しているとはかぎらないが)。とすると、書き言葉の単語がものに似て見えることを私たちが望むなら、画数が一の文字は使いたくな い。それを使ったら、典型的な単語は一筆で書いた記号が並ぶ、わずか四画か五画のものになってし まい、すべての音素が一文字に呼応するとはかぎらない表記法では、さらに画数が少なくなることす らある。その結果、でき上がった単語の外見は、二つの点で、ものに似ることができない。第一に、 輪郭線の数が、典型的なものに見られる数よりもたいてい少ない。四画か五画では、たいしたものは 描けない。 単純な立方体でさえ、線が九本必要だ。第二に、でき上がった単語は、ものが当然持って いる内部構造を欠く。現実の光景に見られるほんとうのものは、たんに輪郭線が並んでいるだけでは ない。自然の光景の中では、輪郭線は特徴的なかたちで交わったりつながったりしている。たとえば、 図4の立方体と四角錐をもう一度眺め、輪郭線が出会う箇所がたくさんあることに注意してほしい。 つまり、一面の文字では、ものに似た単語ができないのは、でき上がった単語には輪郭線や内部構造が足りないからなのだ。

解決法はおのずとわかるだろう。文字の中に小さな「構造」を収めればいい。一画より多くて、し かも、ものに必要な数よりは少ない画数の構造を。

自然淘汰はあらゆる動物の目を形作ったが、人間の目には一つ、ほかの動物には見られない特徴が ある。私たちの目は外に向かって働きかけ、世界を形作るのだ! 目は そして私たちは文 化を通してそうする。つまり、視覚の超人的な能力を進化させる第二の道があるということで、それ は、この最終章での霊に関する話を理解する上で決定的に重要になる。 私たちは文化を通して、目に合うように周りの世界を変えられる。自然淘汰は、目が自然界のものを上手に処理できるようにした。そこで、文化は自然界のものと似た特性を持つ視覚的記号を進化させた。目ができるかぎりうまく処理できるように。

<解説>より

私たちの皮膚は、モニター のように、ひとの感情や健康状態を映し出す (第1章:感情を読むテレパシーの力)。そのカギを握 るのは、肌の血液(ヘモグロビン)の濃度と酸素飽和度だ。この二つが変わることによって、私たち の肌は赤くなったり、青みがかったり、緑っぽくも、黄っぽくもなる。こうした色合いの変化は、時々 の気分や身体の症状をすばやく反映している(カラー図版7を参照)。もともと人間には、肌の色合いの 変化から感情や症状を読み取る図抜けた視覚能力があるわけだが、このメガネはその仕組みを強化す るものなのだ。

人間の身体について、目に限らず勉強したいと思いました。当初の本の助けにはならなかったのですが、新たな気付きがあって楽しいです。目も面白いですね。

こちらの本ももう少し深く読んでいきます。