自然も運命も非情だが、、、 ”Die Liebe” ゲーテ詩集より


Die Liebe―ゲーテ詩集より引用です。

3月11日の震災から3か月が過ぎようとしています。

人間は気高くあれ 人を助けて善良であれ

このことだけが、私たちの識子すべての存在から

人間を区別するのだ

未知ではあるがわたしたちの予感するより高い存在に幸あれ

その存在に人間よ似よ

私たちの行うところがあの実存のあかしとなるように

自然は非情だからだ

太陽は善悪すべてを照らし、

罪ある人にも正しい人にも

月と星とは輝き光る

風も流れも雷電、雹雨も天をつんざき

突過し、人を問わず襲いかかる

運命もまた同じく人を選ばす

無垢の巻き毛の童子をとらえ

罪を重ねた老人の禿頭を襲う

永遠の、厳正な大いなる法則にしたがって

私たちはみなおのが存在の輪を完うしなくてはならぬ

ただ人間だけが、不可能をなしうる

人間は区別し運び裁断する

人間は刹那の瞬間に持続を与えることができる

人間だけが善人に報い

悪しきを懲らし、病を癒し、救い

迷い、さまようすべてのものを結びあわせて

用いられるのだ

そしてわたしたちは不滅の存在をあがめる、生きた人間であるかのように。

最善の人が小さな形で行い、望むところを大きな形でしてくださるのだというように。

気高い人間よ

人を助け、善良であれ。

うまず創れ、

役立つものを、正しいことを。

ほのかに感ずるあの存在の証のすがたたれ