途上国から世界に通用するブランドをつくる会社の代表講演

カタログハウスさんのアニバーサリーイベントで開催されたセミナーに参加してきました。

本日29日13時からの開催で、すでに申し込みは締め切られていましたが、

12時過ぎに電話で申し込んで自転車で新橋まで向かいました。

マザーハウスの代表兼デザイナーの山口絵里子さん。

講演を聴くのは、2009年の12月以来です。

カタログハウスさん(通販生活さん)主催ということもあり、

ものづくりについて語ってくださいました。

印象的だったのは、

ほとんどがバングラディッシュの工員の方についての話だったってことです。

と、それだけではなく、とても感動しました。

以下内容抜粋です。(いつも抜粋ですみません)

バングラディッシュ→NGO大国

かわいそうだから買ってあげる。

日本人なら買ってくれるよね?というスタンス。

一年後、この商品はよくなっているだろうか。

2009年 工員 5名ぐらい。

カタログハウスの人は、バングラディッシュまできてくれた。

ものに対する考え方について勉強させていただいた。

通販生活。300個つくって、5000個オーダーが来た。

2011年 バングラディッシュの工員31人

お客様に手渡すまでを見たいという思いで、

路面店をつくった。

300万円の賞金を得て東京で店舗をもつのは不可能だと言われた。

難しいと思うのは、人の主観でしかない。

マトリゴールに入ったときの温かい雰囲気。

これが一番自分が誇りに思うこと。

生産方式は

自動車でいったら、ホンダのやり方。

トヨタだと一ラインで生産。

ホンダは部分ごとに分かれていて、

細かい要求に対応できるようになっている。

(このサイト参考になるかな?→ホンダならではの生産技術の流れ

5つのテーブルに分かれてつくっている。

以下バックの作り方。

1 パターン リーダー:モルシェド 

パターンをつくる。

最初につくったときは1mm、2mmずれていたので、怒鳴り散らした。

今は海外にいるときの7割ぐらい一緒にいる。

頭が同じなんじゃないかっていうくらい、理解してくれている。

彼はずっとバックの販売員としてやっていた。だけど、そんなんでいいんだろうかと思い、毎日お店が閉まって、20時ぐらいから工場へいって、パターンをやっていた。そんなトレーニングをただ単純に6年間やっていた。

2 カッティング リーダー:ココン

ココンは会社の理念を門をたたくスタッフに伝えている。

3 革漉き  担当:ジョエル 

危険な機械なので、ジョエルが専門としてやっている

4 縫製

女性が多い

5 セッティング リーダー:モディル

最終確認をお願いしにやってくる。

いつも厳しくマネジメントに対しても指摘してくれる。

朝一番にやってくる。

4 再度 縫製 

6 セッティング リーダー:ハシナ

7 仕上げ バボン

チャコペン消しを独自に開発している。

工場にある糸くずなどを見つけては何かできないかと思っている。

8 検品 QCチーム、マムンさん

普通は検品はアウトソーシング

すべて自分たちでやらないと質はあがらない。

工員はみなIDカードをもっている。

そこには写真と名前がはってある。

そのことを彼らは誇りに思っていて、正月に親戚の家にもっていて自慢している。

現地の工場に日本人のお客様がやってくることで、

ポケットのサイズをiphoneサイズにしよう、

という提案が工員からあがってくるようになった。

素材:ジュート。

チクチクしていてバックとしては使えるけど、

ファッションバックとしては向かない。

洪水によって、色が毎年変わる。

染料をちょっとずつ変える。

そんな風にできあがったジュートの生地を見ると、

革より高いんじゃないかとすら思える。

ジュートは土に埋めると、土に返る。

現地の三井物産で働いていたとき、

ジュートでレジ袋をつくってはどうかと提案した。

しかし、前例がないという理由で認めてもらえなかった。

前例がないものをやってはいけないのか?

レザー。

なめし工場にいってつくる。

なめし工場の写真はこちら→工場

情熱大陸のプロデューサーさんが、

いらして、においに耐えられない、と。

(今年また情熱大陸で放送されるのかな??)

デザイン=なにかのコピーからの脱出。

ブランドメッセージを伝えたい。

コンセプトラインのバック。

葉っぱシリーズ 23回ぐらい作りなおした。

ネパール。

今はバングラディッシュに抜かれて、

最貧国になってしまった。

停電が多くて(14時間)、仕事にならない。

バングラディッシュは毎年6%成長している。

バングラディッシュの工場で給食をつくるスタッフが

夜中まで残って縫製の練習をしていた。

裏地をつくっていた。

6ヶ月ぐらい練習を続けて、

仕上げのスタッフとして入ることができた。

一人の給食係の昇進をみんなが喜んでくれる。

一人のリーダーに1000人の工員が必ずつくから

といって仕事に取り組むように伝えている。

最後に、会場から質疑応答の時間があったのですが、

そのとき最後に質問した学生への回答が心に残りました。

学生「自分は本を読んだり情熱大陸をみて感動しました。

他にもたくさん本を読んだり実際に途上国にいってみたりしました。

学生時代はどんなことをしていましたか?

(とかそんな内容。声が震えてて、メモをみながら言ってたから本当に伝えたかったんだろうなぁと思ってジーンとしました)」

山口さん「自分は大学時代、一度も授業で発言したことがなかった。

明日こそは発言しようと思って、学校へいくけれども結局できなかった。

毎日、みんなに追いつこうと図書館にこもって本を読んでいた。

(当時の様子がちょっとわかります→ [塾員山脈] 山口 絵理子君

そのとき本で読んでいた知識があって、現実は違うじゃないかという疑問をもつようになったし、

学んだ言葉のいくつかは今に生きていると思う。

だけど、自分はこれくらいしか力がないって決めるのはもったいない。学生は本当にもったいないと思う。

バングラディッシュに行くと、ただ生きるために水を売っている人がたくさんいる。

日本の人はやろうと思えばすべてがかなわなくても1%ぐらい夢に近づくことができる。

学生時代、一度も発言したことがなかったけれども、今こうして60分の講演をやり遂げた。

役割がその人の姿をつくっていく。

夢や可能性を自分で決めつけないで※」

※かなり私のフィルターがかかっているかもしれません。内容としては上記のようなものでした。